ジョブズ VS. 松下幸之助 "言葉力"で人を動かす

本書は、ジョブズの経営を「引き算」の経営、松下幸之助の経営を「足し算」の経営ととらえ、
その真逆の経営手法を比較している。


個人的には、これまでジョブズ本は結構読んできたので、松下幸之助の経営手法が勉強になった。
なかでも、集合知オープンソース的な考えを持っていたのには驚いた。

(P.111)
さらに幸之助は、ラジオ業界全体を覆っていた特許問題を解決してみせる。ひとりの有名な発明家がラジオの基本特許をガッチリ押さえていたのだった。
このためメーカー各社は、この発明家から起こされる特許係争を繰り返して体力を消耗していた。
この状況を憂えた幸之助は思い切って私費でこの特許を買い取ったのである。しかもそれだけでなく、買い取った特許を無償で公開したのだった。

幸之助は、「信頼してあげれば、相手は信頼で応える」という考え方を貫いた。
まさにオープンソースの考え方だなぁと思った。数十年前に実践していることが凄いですね。

(P.178)
さらに幸之助は、自分ひとりで考えてダメなら、まわりから知恵を得る、つまり衆知を集めることの重要性を協調している。
(中略)
「視野を広げるためには、社外の人も含めて、できるだけ多くの人の知恵を借りることが大切だ」と語った。


松下幸之助だったら、現在の経済状況の中で、どういった経営をしたか見てみたいと思った。