ジョブズ本は数多くあるが、スティーブ・ウォズニアックについての書籍は本書だけではないだろうか。
本書は、ウォズのエレクトロニクス・テクノロジーに対する情熱がひしひしと伝わってくる。
会社の枠組みにとらわれず、自分がやりたいことをやるウォズの生き方を真似することは簡単ではないが、そんな生き方に少しでも近付きたいと思った。
また、本書では世間一般に知られているアップルの歴史やジョブズとの関係に間違いがあることを指摘している。
- ウォズはアップルを辞めていない。今でも最低限の賃金はもらっているし、社員証も持っている。
- ウォズがアップルで仕事をしなくなったのは、アップルに不満があったからではない。ユニバーサル・リモコンが作りたかったから。
- アップルがガレージからスタートしたというのは嘘。ガレージでやったのは、組み立ての最後の部分だけ。
- ウォズとジョブズは同級生ではない。
- アップル草創期の社長は、マイク・スコット。
- Mac OS7が不安定だったのは、IEが原因(らしい)。
以下、読書メモ。
- 世の中、大半の人は考え方を狭く制限するけど、そんなことをする必要はない。
- 自分のボスは自分。自分で判断したことには、強い動機が生まれるので、強い情熱を持ち、全身全霊で打ち込める。
- 自分の力を信じる。自分の直感を信じる。
本書は、アップルのことやエレクトロニクスのことだけではなく、ウォズの人間としての素晴らしさが伝わってくる良書だと思う。
ウォズがApple Iを設計しなければ、アップルは存在しなかった。
それは、MacintoshやiPod・iPhoneが存在しなかったことを意味する。もちろん、Mac OS XやそのベースとなったNeXTも存在しなかった。
ウォズが人類にもたらした革命は計り知れない。