スーパーコンピューターを20万円で創る

本書は、専用並列計算機「GRAPE」を開発した四人の技術者の物語であり、同時に開発メンバーの一人伊藤智義氏の自叙伝でもある。


コンピュータについては素人同然の天文学者達が、スーパーコンピュータを一から作り出すドラマは読まずにはいられない面白さがある。
また、当事者でしか書く事ができないであろうプロジェクト内の確執などが描かれている点も興味深い。


私は本書で「GRAPE」の存在を知り、世界でも有名な専用並列計算機が、日本人の手によって開発されたことを誇りに思った。


(P.182-184)

本当のチームワークとは何か?
それはきっと、馴れ合いでもなければ助け合いでもない。
(中略)
それは互いに実力を信じ合っている上での自己主張だったからではないかと思うのだ。
そしてそれこそが、本当のチームワークではないかと思ったりするのである。

GRAPE - Wikipedia
http://grape.mtk.nao.ac.jp/grape/

スーパーコンピューターを20万円で創る (集英社新書)

スーパーコンピューターを20万円で創る (集英社新書)