OpenSourceConference2007 Tokyo/Spring (3月16日 その1)
Open Source Conference 2007 Tokyo/Springに行ってきました。
参加したセミナーのレポートです。
■ベンチマークに見る、仮想化のキャパシティプランニング
1. 仮想化のメリット
・資源の有効活用
・消費電力の低減
・費用対効果の向上
・変化への対応速度アップ
2. キャパシティプランニングとは
要求性能に必要な資源量(レスポンスタイム、ストレージ、ネットワーク、消費電力、場所 etc)の決定プロセス
キャパシティプランニングをしっかりやらないと、仮想化のメリットが教授できない!!
3. 仮想化のキャパシティプランニング
3.1. 問題点
・検討項目が多い(仮想化のキャパシティプランニングに限ったことではありませんが。)
・サービス種別毎の負荷特性の把握が必要
・異なるサービスが同時実行するため、予測が難しい
・情報不足
3.2. 方法
・要求性能から個々の負荷を予測(平均負荷、ピーク負荷、負荷の時間的変化パターン)
・既存サービスのコンソリデーション(実際の負荷計測)
Point: 負荷計測の前に、現状のボトルネックを調査、解決すること
・新規システム構築の場合は、過去の経験や専門業者が持つ統計データを元に予測
Point: テストシステムの計測データにマージンをのせて、構築すること
3.3. 組み合わせによる負荷の最適化
・負荷の時間的ズレを最大限に利用
業務時間内ピークサーバ + 夜間ピークサーバ
日本本社用サーバ + 海外支店用サーバ
・仮想化ソリューションの機能活用
動的資源配分
仮想マシンのホスト間移動(ライブマイグレーション)
4. 仮想化とベンチマーク
4.1. 仮想化ベンチマーク要求
・外部測定
・内部時計に非依存
→既存ベンチマーク手法では、信頼性の高い結果が得られない!!
(参考)ベンチマーク要求
・再現性が高い
・簡単に使える
・高価な機器がいらない
4.2. 仮想化ベンチマークの掟
・外部からの計測
・同時に複数の仮想マシンへの計測
4.3. 仮想化ベンチマークツール
・VMmark
VMware社製ベンチマーク
・vConsolidate
IBMとIntelが開発してベンチマーク
・SPECvm(仮称)
■仮想化入門
1. 仮想化技術とは
単一であるものを複数存在するようにする技術(あるいはその逆)
2. サーバ仮想化技術の分類
2.1. ホストOS型仮想マシン
ホストOS上で仮想マシンをソフトウェア的に実装。
ホストOS上の通常アプリケーションと併用可能。
技術:VMware、Vitual PC、VirtualBox
特徴:使い勝手重視
2.2. ハイパーバイザー型仮想マシン
ホストOSなしに複数の仮想マシンを実行。
技術:VMware ESV Server、Xen、PlayStation3
特徴:ホストOS型よりパフォーマンス重視、異なるOSが利用可能、管理が煩雑
2.3. 仮想環境
ホストOS上のソフトウェア実行環境を分離。
ホストOSの機能を利用。
ゲストOSは存在しない。
ホストOSから各プロセスを見ることができる。
技術:Solaris Zone/Containers、Virutuzzo、OpenVZ、jail
特徴:パフォーマンス重視、利用OSは単一
3. キャパシティプランニングと仮想化統合
・利用率60%を目安に集約
4. Xenライブマイグレーション
4.1. ライブマイグレーションとは
仮想マシンを無停止で別ホストへ移動することで、動的リソース配分を実現する。
(現状、Sambaとの相性は悪い)
4.2. 制限
・ホスト間で共有されたストレージが必要(FC SAN、iSCSI SAN、NFS etc)
・完全仮想化は未サポート
■オープンソースによるシステム管理の自動化
1. http://www.cfengine.org/
1.1. メリット
・設定一括管理
・手順のバックアップ
・管理作業のパターン化による品質の均一化
・使い捨てsh、perlスクリプトの追放
・属人的管理作業からの解放
1.2. 問題点
・依存関係、関連性を持たせることができない
・classの継承ができない
・対応できないものは、shで対応する必要がある
2. Puppet
cfengineに替わる「Configuration Management System」。
Rubyで書かれている。
3. RANCID
L2/L3スイッチの「Configuration Management System」。
4. 自動化のメリット
・自動化によりミスが入る余地を減らす
・品質の底上げと均一化
・再現が保証されたシステムは、セキュリティ向上の一助となる